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1997 年度 実績報告書

ラウエ法による蛋白質の動的X線構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 09557187
研究機関東京大学

研究代表者

原田 繁春  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80156504)

研究分担者 水谷 隆太  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70272482)
野口 修治  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60237823)
キーワード動的構造解析 / ラウエ法 / 白色X線 / シンクロトロン放射光 / 亜鉛プロテアーゼ / 時間分割構造解析 / フローセル / 構造生物学
研究概要

緑膿菌Pseudomonas aeruginosaが産出するアルカリプロテアーゼは活性部位に触媒機能に必須の亜鉛イオンを持つ金属プロテアーゼである。酵素反応速度の遅い基質が知られており反応がほとんど進行しないpH4.0で結晶化できることから、フローセルを使ったpHジャンプ法で秒〜分オーダーの時間分割構造解析を行なうことによって四次元立体構造の解明が期待できる。そこで、基質(VAAF)存在下、pH4.0で共結晶化したアルカリプロテアーゼの結晶をフローセルに詰め、pH5.5の母液を流して結晶のpHジャンプさせ、それから3、5、7、20分経過後の回折強度データをPFのBL18Bに設置されているラウエカメラで測定した。その結果、45%程度の完全性を備えたデータがR_<merge>=10%程度の精度で得られた。このデータを使ってPDBデータベース中のネイティブ蛋白質の構造を精密化し、差フーリエ図を計算した。この差フーリエ図からネイティブ蛋白質中の亜鉛イオンの位置が反応開始から3分後ではかなりずれているが、20分後になると元に戻ってきていることがわかる。基質に対応する電子密度も時間とともに形が変化している。ところで、同じ金属プロテアーゼでもサーモリシンは反応速度が速く、低温にしてもフローセルで達成できる時間分解能(秒〜分)にまで反応速度を下げることができない。また、結晶は酵素活性が最大であるpH7で得られ、さらにcaged基質も今のところ入手できていない。そこで、活性に必須の亜鉛原子を除いたアポ酵素の結晶にレーザー光照射で酵素反応を開始させる方法を計画した。アポ酵素の結晶はネイティブ酵素の結晶をEDTAと1,10-フェナントロリンにソ-キングして調製した。結晶の白色X線に対する安定性等を調べるための予備実験では最初、放射線損傷のためにデータ測定すらできなかったが、問題を解決することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Genji Kurisu: "A flow cell suitable for time-resolved X-ray crystallography by the Laue method" J.Appl.Cryst.30. 555-556 (1997)

  • [文献書誌] Genji Kurisu: "Structure of the Zinc Endoprotease from Streptomyces caespitosus" J.Biochem.121. 304-308 (1997)

  • [文献書誌] Genji Kurisu: "Characterization of a Small Metalloprotease from Streptomyces caespitosus with High Specificity to Aromatic Residues" Journal of Fermentation and Bioengineering. 83・6. 590-592 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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