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1998 年度 実績報告書

老人性痴呆治療薬の開発を志向した脳内ステロイドホルモンの分析

研究課題

研究課題/領域番号 09557188
研究機関金沢大学

研究代表者

島田 和武  金沢大学, 自然科学研究所, 教授 (90004605)

研究分担者 本間 誠次郎  帝国臓器株式会社, 代謝部, 主席研究員
東 達也  金沢大学, 薬学部, 助手 (90272963)
三田村 邦子  金沢大学, 薬学部, 助手 (70242526)
キーワード脳 / ステロイドホルモン / ストレス / 増加 / クラシカルエストロゲン / グアヤコールエストロゲン / GC / MS / MS
研究概要

高齢化社会を迎え、老人性痴呆は大きな社会的問題となっており、各種の抗痴呆薬の開発が進んでいる。しかし、認可が取り消されるそれが相次いでおり、開発の困難さを示唆している。
ところで最近、ほ乳類の脳内に末梢血中の10倍以上ものステロイドホルモンが見出され多大の注目を集めている。これらのneurosteroidsあるいはneuroactive steroidsと呼ばれ、17-又は20-オキソステロイドの遊離型、各種抱合型(sulfate,fatty acid ester,sulpholipid抱合体など)より構成され、脳内で生合成されることが知られている.このような折、pregnenoloneやestrogenの老人性痴呆薬としての有用性が示唆され、上記の知見との関連が注目されている。
昨年度、当研究はHPLC,LC/MSを駆使してラット脳を検索し、pregnenolone,dehydroepiandrosteroneの3-stearate,-palmitate(計4種)を同定することに成功した。また、脳内におけるpregnenolone,dehydroepiandrostrone,pregnenolone 3-sulfateの存在もLC/MSなどにより改めて確認した。
本年度は、上記脂肪酸抱合体がストレスにより減弱し、逆に遊離型neurosteroidsが増加することを明らかとした。さらに、ラット脳内におけるclassical estrogen,guaiacol estrogenの存在をGC/MS/MSで初めて確認した。従来の研究では脳内におけるエストロゲンレセプターの存在は明らかとされているが、estrogenの脳内における存否については不確かであった。本研究は今後の抗痴呆薬の開発研究に一つの方向を示唆したものとして注目される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Shimada: "Studies on neurosteroids VII. Characterization of pregnenolone,its sulfate,and dehydroepiandrosterone in rat brains using liquid chromatography/mass spectrometry" J.Liq.Chromatogr.Relat.Technol.21・6. 765-775 (1998)

  • [文献書誌] 三田村邦子: "LC/MSにおける誘導体化" 薬誌. 118・6. 206-215 (1998)

  • [文献書誌] K.Shimada: "Studies on neurosteroids VIII.Determination of pregnenolone and its 3-stearate in rat brains using high-performance liquid chromatography-atmospheric pressure chemical ionization mass spectrometry" J.Chromatogr.B. 714・2. 153-160 (1998)

  • [文献書誌] K.Shimada: "Studies on neurosteroids IX.Characterization of estrogens in rat brains using gas chromatography/tandem mass spectrometry" J.Chormatogr.A. (in press).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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