研究課題/領域番号 |
09557192
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
櫨木 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)
|
研究分担者 |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
柴崎 正勝 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30112767)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
|
キーワード | イノシトールリン脂質3-キナーゼ / ワ-トマニン |
研究概要 |
本研究は、イノシトールリン脂質3キナーゼの強力な阻害薬であるワ-トマニンの誘導体の中から、この酵素のアフィニティ精製に適したリガンド、あるいは、この酵素のサブタイプに特異的なリガンドを探索することを目的としている。阻害薬としてのワ-トマニンのひとつの特徴は、骨格内の活性なフラン環が開環して標的酵素の活性中心近傍のアミノ酸残基と共有結合を行うことである。一方、酵素活性を保持したままアフィニティ精製を行うためには、共有結合性を失わせることが必須となる。このフラン環をもたない誘導体は酵素阻害活性をもたないことが報告されていたが、フラン環を開環した上で官能基を導入した誘導体のいくつかは、イノシトールリン脂質3キナーゼとの共有結合能を失っているにもかかわらず、かなり強い酵素阻害活性を示すことが観察された。今後、これらの化合物をアフィニティリガンドとしたクロマトグラフ担体を作成し、既知の酵素の簡便な精製方法を確立し、かつ、未同定のサブタイプ(すでに放射標識ワ-トマニンを用いて検出している)の分離精製を試みる予定である。また、検討を行ったワ-トマニン誘導体の中に、インスリン刺激とFc受容体刺激による細胞応答を抑制する濃度に10倍程度の差のあるのもを見出した。これらについては、精製サブタイプ標品を用いて作用特性の検討を進め、サブタイプ間の機能の差を細胞レベルで検討するためのツールとしての可能性を追求したいと考えている。
|