研究概要 |
レーザースペクトロ分子顕微鏡の開発と細胞分子・機能解析への応用を試み、以下の実績を得た。 1. マルチフォーカス立体カラーテジタルビデオ顕微鏡の開発と細胞応答解析への応用 平成10年度までの本研究により、倒立型顕微鏡(平成9年度設備備品費にて購入)、ビームスプリッター、ミクロメーター型Z軸ステージ(自作)、カラーCCDカメラ、高画質業務用ビデオデッキ、リアルタイム画像解析用コンピューター(本年度設備備品費にて購入)を組み合わせた2焦点面同時観察スペクトル顕微システムの開発に成功した。本年度はさらに、より高度な解析を可能にすることを目的とし、アナログ方式では抽出できなかった精密な色調による情報を冷却カラーデジタルカメラ(本年度設備備品費にて購入)により検出し、細胞内分子の分布を画像化するスペクトロ立体分子顕微鏡を構築を試み、2焦点面同時観察カラースペクトル顕微システムの開発に成功した(BUNSEKl KAGAKU 48,299-314)。 本システムを用い、血糖値維持において重要な役割を果たしている膵臓β細胞からのインスリンの放出機構に関わる細胞内カルシウム濃度の上昇を、膵臓β細胞株(MIN6)で解析した。その結果、細胞内カルシウム濃度変化とインスリン分泌との詳細な相関関係を明らかにした(Japan J.Pharmacol.79,25P;Molecular Endocrinology,in press)。 2. 臨床薬学分野への応用 上記1のシステムの臨床薬学分野への応用を目指し、まず集中治療室等の臨床現場での活動を開始し、その中での薬剤師ならびに薬学の役割、さらに基礎研究の位置づけを提言した(薬事新報2091,59-60)。 さらに、臨床検査分野への応用を試み、アレルギー反応の可視的検出を行った(臨床化学28,94a-96a)。 現在、臨床薬学分野へのより広範な応用を試みている。
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