研究課題/領域番号 |
09557201
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 武 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40028866)
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研究分担者 |
小比賀 聡 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80243252)
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キーワード | ヌクレオシド類縁体 / オリゴヌクレオチド誘導体 / アンチセンス核酸 / 化学合成 / カチオン性脂質 / リポソーム / 遺伝子導入 |
研究概要 |
これまでに我々はリン酸ジエステル結合のかわりにカルバメート結合でヌクレオシド間を結合したダイマーアナログ、ヌクレオシドの糖部コンホメーショシをN型(C3-endo)に固定化したアナログをはじめ、数種類の新しい核酸類縁体を合成してきた。本年度は、これらヌクレオシドアナログの効率的かつ一般性に優れた合成法の開柘を行いこれに成功した。さらに、これらヌクレオシド類縁体を導入したオリゴヌクレオチドを種々作製し、その標的mRNAに対する親和性を詳細に検討し、これらが予想通り非常に優れた二重鎖形成能を有していることを明らかにした。また、遺伝子DNAを標的としたアンチジーン法への展開を念頭に、これらオリゴヌクレオチド誘導体の三重鎮形成能について、融解温度(Tm値)測定、DNase Iフットプリント実験などにより評価を加えたところ、これらオリゴヌクレオチド誘導体が非常に優れた三重鎖形成能を有していることを明らかにすることができた。すなわち、これらオリゴヌクレオチド誘導体はmRNAを標的としたアンチセンス法のみならず、DNAを標的としたアンチジーン法の実用化に向けた有力な候補化合物であると考えられる。 一方、上記のようなアンチセンス分子をはじめとした各種遺伝子を細胞内へ導入するためのベクターとして、我々は新規なカチオン性リポソームの開発に向けた研究についても精力的に行ってきた。これまでにグリセリンを基本骨核とした対称型カチオン性脂質の合成に成功し、このものを含むカチオン性リポソームが優れた遺伝子導入効率を有していることを見出した。さらに、このカチオン性リポソームはこれまでに知られている各種の遺伝子導入試薬に比較し極めて細胞毒性が低いということも確認しており、in vitroあるいはin vivoにおける新しい遺伝子導入法として大いに期待が持たれる。
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