研究課題/領域番号 |
09557211
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283615)
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
齋藤 秀之 京都大学, 医学研究科, 講師 (40225727)
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90228429)
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キーワード | 薬物輸送 / 尿細管分泌 / 有機アニオントランスポータ / 有機カチオントランスポータ / アフリカツメガエル卵母細胞 / 動物細胞安定発現系 / メトトレキセート / テトラエチルアンモニウム |
研究概要 |
本研究課題では、薬物腎排泄に関わるラット腎局在性有機アニオントランスポータ(OAT-K1)、及び有機カチオントランスポータ(OCT2)を中心に機能特性解析を実施し、以下の研究成果を得た。 1.ラット腎有機アニオントランスポータ(OAT-K1)の機能特性解析:OAT-K1のcDNAを鋳型にRNAを合成し、アフリカツメガエル卵母細胞に注入後、種々のアニオン性化合物の取り込み活性を測定したところ、抗癌剤メトトレキセート(MTX)並びに葉酸の取り込みが促進された。ブタ腎由来の培養細胞LLC-PK_1にOAT-K1cDNAを導入、作成した安定発現細胞を用いて輸送実験を行ったところ、MTX取り込みが促進され、葉酸、BSP、タウロコール酸、DIDSの共存による顕著な阻害が認められた。非ステロイド性抗炎症剤の共存によって、MTX取り込みは有意に低下し、インドメタシン、ケトプロフェンによる阻害様式は競合的であることが明らかとなった。 2.ラット腎有機カチオントランスポータ(OCT2)の機能特性解析:腎に発現する新規有機カチオントランスポータOCT2の機能解析を、卵母細胞系並びにイヌ腎由来のMDCK細胞安定発現系を用いて行った。OCT2によるテトラエチルアンモニウム(TEA)の輸送はH^+勾配非依存性であり、また膜電位の影響を受けたことから、側底膜型の有機カチオントランスポータであると考えられた。OCT1とOCT2の安定発現系による輸送特性解析を行ったところ、OCT1とOCT2によるTEA輸送はいずれも種々の異なるカチオン性化合物による阻害を受けたが、種々の異なるカチオン性化合物による阻害効果には両トランスポータ間で違いが認められなかった。これらの結果から、OCT1とOCT2はいずれも類似した機能特性を有する尿細管側底膜型の有機カチオントランスポータであることが推察された。
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