研究課題/領域番号 |
09557213
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大石 幸子 北里大学, 薬学部, 教授 (70050416)
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研究分担者 |
上村 孝 帝人株式会社, 生物医学研究所, 主任研究員
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
奈良場 博昭 北里大学, 薬学部, 助手 (90296517)
上野 晃憲 北里大学, 薬学部, 助教授 (00112657)
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キーワード | ホスホリパーゼA_2 / シクロオキシゲナーゼ-1 / シクロオキシゲナーゼ-2 / プロスタグランジンE_2 / プロスタグランジンD_2 / トロンボキサンB_2 / マクロファージ / リポポリサッカライド |
研究概要 |
平成9年度にはラットマクロファージやファイブロブラストを中心に、これらの細胞におけるホスホリパーゼA2(PLA2)、シクロオキシゲナーゼ(COX)、更に下流のターミナルプロスタグランジン合成酵素のカップリングを確認してきた。本年度は、マウスの細胞やライン系細胞等において誘導を検討し、また酵素の部分精製を試みた。ライン系細胞としてマウスリンパ系細胞由来のP388D1細胞を用い、TNFα及びIL-1βの存在下に培養した。上清中のPGE2量は24時間後にピークを示した。この増加はCOX-2の選択的阻害薬のNS-398によって著明に抑制され、デキサメタゾンの存在下の培養で抑制されたことからCOX-2の誘導を介していることが推定された。更に、P388D1細胞をTNFα及びIL-1βの存在下に培養後各時間後のPGE2合成酵素活性を評価したところ、6時間後にはこの活性は著明に上昇し24時間後にピークを示した。従ってマウス細胞に於いてもPGE2合成酵素がサイトカインによって誘導されることが推定された。これらの結果は、前年度に報告したラットマクロファージにおいてLPS刺激でCOX-2とPGE2合成酵素が誘導され、大量のPGE2産主に寄与していることと一致した結果である。酵素群のカップリングとしては、PLA2分子種の中で、II型分泌型のPLA2がアラキドン酸をCOX-1、COX-2のどちらにも受け渡している可能性が示された。一方誘導型PGE2合成酵素に対しては、時間的にもCOX-2の誘導と一致していることもあり、COX-2がPGH2を受け渡している可能性が推定された。PGE2合成酵素の阻害薬については、従来の非ステロイド性抗炎症薬は殆ど効果を示さず、やや濃度は高いものの、フラボノイド系の薬物が抑制を示した。今後更にこの系統の薬物について検討する予定である。
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