研究課題/領域番号 |
09557215
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究分担者 |
山根 明男 湧永製薬, バイオ研究所, 所長(研究職)
十字 猛夫 日本赤十字社, 中央血液センター, 室長(研究職)
土屋 尚之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60231437)
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キーワード | HLAクラスI遺伝子 / DNAタイピング / HLA-A / HLA-B |
研究概要 |
前年度に引き続き、HLAクラスI遺伝子群のDNAタイピング法の開発を進めた。今年度は、PCR-MPH法を用いたHLA-AおよびB遺伝子のintermediate resolutionタイピングキットを新たに作成することができた。現在既に、いくつかの研究機関で検討、評価段階に入っており、その結果をふまえてプローブの一層の改良に努めている。すでに実用化されているいくつかのクラスIグループ用のhigh resolutionタイピングキットと組み合わすことで、これまで困難であった多数検体を対象としたクラスI遺伝子群の簡便かつ効率的なDNAタイピング法の実現に向けて大きく前進したといえる。 また一方、比較的少数の検体のhigh resolutionタイピングに適した方法として、PCR-RFLP法を用いたHLA-AおよびB遺伝子のタイピング法を確立することができた。この方法を国際的なHLAクラスI遺伝子群DNAタイピング法の精度管理プログラムにおいて使用したところ、支障なく使えることが確認できた。 HLAクラスI遺伝子群の対立遺伝子のスクリーニングと塩基配列決定についても、新たなC座の対立遺伝子のほか、新たに見出された非発現型遺伝子の解析を行った。以上より、日本人に存在する対立遺伝子の大部分の解析を終了することができたと考えられる。 このほか、東アジアの諸集団において多様性を示すHLA-B61グループの対立遺伝子の分布状況を解析し、また、クラスI抗原が細胞膜上に発現されるために必須な分子のひとつで、6番染色体のHLA領域に存在するタパシン(tapasin)遺伝子の多型解析も行った。
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