研究課題/領域番号 |
09557216
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡田 正彦 新潟大学, 医学部, 教授 (30018915)
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研究分担者 |
伊藤 康樹 デンカ生研, 臨床試薬部, 研究員
稲野 浩一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (10262445)
三井田 孝 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (80260545)
松戸 隆之 新潟大学, 医学部, 助教授 (80209577)
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キーワード | 動脈硬化症 / 低比重リポ蛋白 / 酸化LDL / エピトープ / 抗酸化LDL自己抗体 / フラグメント / 糖鎖 / 高脂血症 |
研究概要 |
二年目の本年度は、まず抗酸化LDL自己抗体の抗原精製をより厳密に行う方法について検討した。そのためゲル濾過法(FPLC)によって血漿中リポ蛋白を分画し、各フラクションについてウエスタンブロティング法で試料中IgGとの結合性を調べた。その結果、健常者血清を試料とした場合、HDL分画に強く結合する非特異的IgGの存在することが分かった。エピトープを含むと思われるバンドをアミノ酸解析したところ、その成分はHDLより外れたアポA-Iであることが確認された。したがって、抗原の精製に当たっては、HDLおよびアポA-Iを排除することが重要であると思われた。一方、エピトープを特定するためには、LDLのどのような構造変化が動脈硬化症の発病に重要であるのかを知る必要がある。現在のところ、吸光度スペクトル(234nm)、脂質ペルオキシド定量、アガロースゲル電気泳動の3つがLDLの酸化を測る方法として知られている。しかし、これらはいずれも脂肪酸やリン脂質の構造変化を測る方法であり、より重要なアポBの変化を確認することはできない。そこで、アポBの糖鎖に着目して、その構造と酸化による変化を調べた。その結果、アポBには、8種類のN-結合型オリゴサッカライドが検出され、O-結合型は含まれていないことが分かった。また、シークエンス解析の結果から、複合型が3種類、高重合マンノース型が5種類それぞれ存在することが分かった。しかし、LDLの酸化前後で糖鎖構造に違いは認められなかった。次年度(最終)には、これらの知見を基に実用的な抗酸化LDL自己抗体測定系を完成させたい。
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