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1998 年度 実績報告書

ペプチド核酸(PNA)を用いた遺伝子診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09557217
研究機関京都大学

研究代表者

上田 國寛  京都大学, 化学研究所, 教授 (00027070)

研究分担者 北川 幸一郎  ダコジャパン(株), 研究開発部, 部長(研究職)
木戸 隆宏  医療技術短期大学部, 助手 (60234308)
キーワードペプチド核酸 / 遺伝子診断 / MRSA / 結核菌 / mec A / 16S rRNA / CSA法 / in situ PCR
研究概要

まず、初年度にひき続き、PNAプローブのもつ特性について検討を加えた。試料として、分離・培養し、スライドガラスに塗布したMRSA(メチシリン耐性黄色ブトウ球菌)と、患者の喀痰塗沫標本中の結核菌を用いた。前者についてはmecA遺伝子のAとTのみを含む領域、後者についてはM.tuberculosis complex(MTC)とNontuberculous Mycobacterum species(MOTT)に特異的な16SrRNA領域に対して、それぞれ相補的なFITC標識PNAプローブを調製し、標本と反応(ハイブリダイゼーション)の後、蛍光顕微鏡下に観察した。この検討により、PNAプローブのもつ(1)疎水性が強く、容易に細胞膜を透過して標的核酸に到達・結合できる、(2)高い配列選択性をもち、1塩基のミスマッチによるTm値の差がDNAの場合よりも大きい、(3)PNA/DNAの結合が非常に強く、ほとんど瞬時に形成されるため、ハイブリダイゼーションに要する時間は30分で十分である、などの特性を確認した。一方、(4)感度が不十分で、シグナル増幅の必要がある、という重大な問題点を見出した。
そこで、PNAプローブを最近ダコ社の開発したCSA(Catalyzed Signal Amplification)法と組み合わせ、高感度化することを試みた。CSAは、ビオチン標識したチラミンを基質にペルオキシダーゼ反応を行い、これによって生じるラジカルの沈着およびABC(アビジン-ビオチンコンプレックス)法を組み合わせた検出系で、この検出系の採用により期待通りの大幅な感度向上が得られた。
これとは別に、PNAのもつ高い配列選別能力を利用して、肺癌組織切片中のK-ras遺伝子の点突然変異をin s i tu PCRで検出する試みを開始した。これはまだPNAの非特異的沈着が強くて成功していないが、液相中ではPNAの特異的結合を確認しており、改良可能と思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tanaka,S.,et al.: "Association of CYP2D microsatellite polymorphism with Lewy body variant of Alzheimers disease" Neurology. 50・6. 1556-1562 (1998)

  • [文献書誌] Tokime,T.,et al.: "Enhanced poly (ADP-ribosyl) ation after focal isochemia in rat brain" J.Cerebral Blood Flow Metab.18. 991-997 (1998)

  • [文献書誌] Ariumi,Y.,et al.: "In vivo phosphorylation of poly (ADP-ribose) polymerase is independent of its activation" FEBS Lett.436. 288-292 (1998)

  • [文献書誌] Banasik,M.,et al.: "Dual inhibitory effects of dimethyl sulfoxide on poly (ADP-ribose) synthetase" J.Enz.Inhib.14・3. 239-250 (1999)

  • [文献書誌] Ariumi,Y.,et al.: "Suppression of poly (ADP-ribose) polymerase actibity by DNA-dependent protein kinase" Oncogene. in press (1999)

  • [文献書誌] Ikemoto,M.,et al.: "Liver-type arginase in serum during and after liver transplantation : a novel index in monitoring conditionsf of the liver graft and its clinical significance" Clin.Chim.Acta. 271・1. 11-23 (1998)

  • [文献書誌] 上田 國寛: "メディコピア第38巻(遺伝子医療ーいまとこれから)" 第18回メディコピア教育講演シンポジウム, 158 (1998)

  • [文献書誌] 上田 國寛: "岩波講座「現代医学の基礎」第1巻" 岩波書店, 267 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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