研究概要 |
本研究は,鹿児島県下の数校で気温を連続測定し,それをパソコン通信により自動収集し,さらにインターネットで自動提供するというCatRace計画の延長である。1996年4月から鹿児島大学教育学部を含む4地点での気温データをホームページ(http://www-rk.edu.kagoshima-u.ac.jp/catrace/)で公開しており,教育利用も始まっている。 今年度の研究計画は,ほぼ当初の予定通り進捗し,特に以下の2点では顕著な進歩があった。 (1)インタラクティブなシステムの構築 ・システム管理者がブラウザから各種の操作ができるように,cgiとPerl言語によるシステムを開発した。 ・利用者が選択した期間と測定地のグラフが表示できるように,Java言語によるプログラムを開発した。 (2)データベースシステムの構築 ・専用のサーバー機を導入し,気温データをデータベース化した。これに伴い,毎日送信されてくるデータを自動的にデータベースに登録するためのソフトウェアを開発した。 ・データベースを利用した情報提供の最初の例として,過去1週間分の気温グラフをホームページのタイトルの下に表示するようにした。このグラフは毎日自動的に更新される。 また,本システムを約2年間連続運転した経験をもとに,安定した自動運転を続けるための条件を分析した。その結果,技術的な障害対策は比較的容易であるが,人為的な過失は相当な対策を講じても完全に無くすことは困難であることが判明した。今後本システムでも,対人面での対策をさらに追求する予定である。 現在,気温以外のデータの提供にも着手しているが,今回導入したデータベースシステムにより,各種データの蓄積管理は容易にできるはずである。今後は,利用者がデータベースのデータを選択・処理できるシステムを構築することが中心的な課題になる。
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