研究課題/領域番号 |
09558009
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究室長 (50141982)
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研究分担者 |
工藤 文三 国立教育研究所, 教科教育研究部, 研究室長 (30231096)
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究室長 (50132692)
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究室長 (30165732)
富竹 徹 島根大学, 教育学部, 助教授 (00155566)
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キーワード | 数学教育 / 総合的な学習 / 活動 / 単元 / 教育課程 |
研究概要 |
本研究の目的は、小学校から高等学校にかけての算数・数学科において社会や文化と数学を総合した、総合的な学習に適した課題、学習過程、評価方法を開発することにあった。また、諸外国を含め教科書を分析することにあった。平成9年度からの3年間の研究において、算数・数学科において総合的な学習に適した授業として、小学校で12例、中学校で18例、高等学校で8例の授業例を構想・実践した。これらの結果については、そのつど毎年の研究報告書に掲載してきた。本研究を通して、課題、学習過程、評価方法について、次のような一般的な知見が認められた。課題については、子供の身の回りのあらゆる所にあることが分かり、また、国際的な話題、環境や福祉にかかわる話題、地域に密着した話題も教材とすることができた。なお、子供の身の回りにある問題場面を生活場面に則して分類して例示してある。学習過程については、子供自身の実際の活動、グループによる活動、学級全体の話し合い、から構成できることが分かった。授業によっては、授業後に子供が自ら課題を発展させていくこともあった。評価については、授業前に子供の反応を予想し、授業中は子供の反応を観察し、授業後は感想やつぶやきを収集し分析・分類することによって行える。さらに、授業で扱った問題場面と類似な問題を工夫し、社会が使う数学的な能力を実際に評価することもできる。教科書の調査からは、アメリカには多くの良い問題場面があることが分かった。一方、全般的に、我が国の算数・数学科の教科書には、本研究で目指している子供の身の回りの問題場面や扱いが少ないことが分かった。したがって、本研究を通して授業事例集を作ることの有用性が追認された。
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