研究課題
本研究は、協同学習を支援する学習環境システムの開発(協同的学習を支援するソフトウェア開発とその活用のノウハウの開発を含む)を目的としたものである。本年度は小学生が、協同的に、相互の作品(科学的探求の記録、自由作文、絵や写真)を作り、それらを保存し、適宜参照/編集して、より創造的な協同探求活動継続、発展させることを支援するためのグループウェアの基本構成を設計し、それを活用した授業実践のフィールドワーク研究をもとに評価・改善を行い、協同学習ベースとしたコンピュータ教育実践についての新しいツールの開発と実践上の具体的な提言を得た。実践としては、子どもの自主的な創造活動を積極的に進め、子どもたちがコンピュータを学習の道具の一つとして、他の道具や教材を活用した活動の中で「必要に応じて」活用する学習環境を構成し、その中で子どもたちが協同的な「作品づくり」(科学的探求だけではなく、自由作文や絵、写真なども含む)を通して、互いの個性を賞味しあい、自らの個性を具体的な形に作り上げるという、フレネ教育の基本理念に即した真の人間教育をめざしたコンピュータ教育の実践のあるべき姿をさぐった。研究体制としては、パソコン活用の学習経験の豊富な東京都港区神応小学校の苅宿学級と、それほどフルに活用はしていないがきわめて着実に子どもたちの自発的な創造的活動に活用しはじめている保谷市立保谷第二小学校の田中学級、さらに、やはりフレネ教育を長年実践してきてはいるがパソコン活用はほとんど行っていなかった荒川区立第三峡田小学校の浅川学級が加わり、実験的授業のフィールドワークを通して、コンピュータ支援の在り方をさぐり、教育研究者と現場教師、ソフトウェア技術者との相互討論のもとにシステム開発とその試験的実践への基本体制を確立できた。
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