研究分担者 |
沢本 和子 山梨大学, 教育学部, 教授 (50226081)
藤岡 完治 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90030048)
永野 和男 静岡大学, 情報学部, 教授 (60107224)
水越 敏行 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20019409)
松井 仁 新潟大学, 教育学部, 助教授 (20251423)
|
研究概要 |
平成9年度においては、教育臨床的認知を必要とする授業事象の収集とその映像データベース化の作業を行った。教育臨床的認知として、遅延的認知と意思決定場面,即時的認知と意思決定場面に焦点をおき,経験教師、及び初任教師を対象に授業を収集した。対象とした授業は、小学校は生活科の授業と算数、国語の授業、中学校は国語、社会科の授業である。これらの授業事象に対して、授業者及び観察者の授業認知の抽出を行い、遅延的認知事象と即時的認知事象を分析した。その結果、経験教師には遅延的認知がかなりみられるのに対して、初任者には即時的認知がほとんどであることなどが、大まかに整理された。これをもとに、分析者と受業者とが検討し、授業場面のうち、遅延的認知事象、即時的認知事象に特定される場面の映像を抽出した。授業者の利用した教材情報を収集し、これらをせいりするとと。また、授業者に対して,当該単元,教材に対しての受業者の解釈,意図を記述してもらい,それを整理した。ただ、課題や教材に対する子どもの解釈については、授業が数日に及び活動が変化するなどもあって、抽出した一部の子どもに限定せざるを得なかった。これらの映像情報を、学習者が反省的思考モデルによって学ぶシステムに組み入れるために、授業課題、教材、教材解釈、授業映像、認知情報を組み込み、簡易なビデオ・オン・ディマンドシステムを活用し、ネットワークで連結されているパソコンからこれらをアクセスできる暫定的システムを構築した。以上のように、本年度の目的はほぼ予定通りに達成できた。
|