研究分担者 |
坂本 亘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70304029)
上坂 浩之 日本イーライ・リリー(株), 医学・科学部門・臨床開発部・臨床統計室, 室長
田子 精男 金沢大学, 理学部・計算科学科, 教授 (80303254)
越智 義道 大分大学, 工学部・知能情報システム工学科, 助教授 (60185618)
白旗 慎吾 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10037294)
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研究概要 |
昨年度にひき続き,観察研究における計画,遂行,データ解析,評価(提示)の過程における諸種の接近法の研究を行った. ・ 「国際標準化」の流れに沿い,医療品の臨床評価場面で注目を集めているエンドポイントの選定と評価から,生存時間研究に的を絞り,なかでもニーズの高い「比例ハザード・モデル」の調整の諸法を研究した.通常の方向が,すべての個体(患者)に一律に構造だけの調整・適応をはかるのに対して,個体の特徴ごとに層化調整を入れる退化調整モデルを提案し,その性能を評価した. ・ 国際連携に基づく臨床試験(bridging study)のニーズに対応して,その基盤となる薬物動態の統計数理に着目し,とくに薬力学(pharmacodynamlics)の観点から用量反応関係の推測法,および悉無反応のデータ適応型接近法に基づく推測法を研究した.さらに,医薬品の便益・コスト関係の評価にも適用が期待されているFiellerの方式についても検討を加え,新しい観点からの推測法を提示した. ・ Bayes流接近法からも観察研究の諸種の主題に検討を加え,とくに,正確推測法でのGibbsサンプリング方式の有用性を評価した. 昨年度と同様に,分担者・越智を責任者として,平成10年10月に大分市で観察研究における「統計的データ解析過程の諸問題と方法」に関する研究集会をもち,上記の研究成果をはじめ,今後の課題について,議論を深め,研究者(分担者)相互の意思の疎通をはかった.
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