本研究では、小型のディスクアレイを一つのモジュールとし、複数モジュールを適当な相互結合網により接続することにより、すなわちディスクアレイのアレイ化により大規模な2次記憶システムを構築し、ディスクの高機能化による高性能大規模二次記憶方式を検討した。 平成9年度は、我々の提案している仮想ストライピング、ホットブロッククラスタリング、ホットミラリングなどの新しいディスクアレイ記憶制御方式を基に詳細なディスクアレイシミュレータを作成した。又、ディスクアレイのアレイ化が必要とされるアプリケーションは極めて負荷の重いアプリケーションであり、TPC-Cのアクセストレースを取得し、これを用いて、性能推定を行った。 平成10年度はデータウェアハウスを対象とするTPC-DをORACLEの上で走行させ同様にトレースデータ取得し、超大規模データウェアハウスのアクセスローカリテイの解析を詳細に行うとともに、各種インデクス、とりわけ最新のマルチカラムインデクス等メタデータの記憶管理について、データ属性に基づいて性能チューニングのためのディスク高機能化方式について検討した。アクセスプランを利用したブリフェッチ機構についても新しい方式を提案し、データウェアハウス応用のアクティビティを解析することにより、提案した方式の有効性を確認した。更に、シミュレータにより、当該アクセストレースを用い、ホストからのヒントを利用することにより大幅な性能向上が達成可能であることを明らかにした。
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