研究概要 |
[1]頭部・頸部の人体3次元モデルの構築 主に顔部の手術シミレーションのために顔の外部と頭骨の間に3次元メッシュを張りバネネットワークを構築することについてはほぼ当初の目標を達成できた。頭蓋骨に近い部分のバネのパラメータをより固くして治癒の様子を模することを行った。成果は情報処理学会CG,CAD研究会(平成10年2月27日)で"手術シュミレーションのためのバブルを用いた3次元メッシュの生成法"のタイトルで発表した。 [2]バネパラメータの同定 学部卒業研究のテーマとしてこの研究を実施した。柔らかい臓器のモデルをバネネットワークモデルと有限要素法のモデルの両者を比較した。柔らかさを6軸力覚センサーを用いて実測し、実物と仮想モデルの柔らかさが同じようになるように未知パラメータを求めた。 [3]手術シュミレーションシステムとユーザインタフェース 頭部・頸部の3次元モデルに切断が行えるシステムを構築した。操作はペン型磁気位置測定装置を用いるもので、現在頭蓋骨を自由に切断できるように設計されている。 [4]実験データ提供と医学的位置づけ 新しく参加いただいた内山先生から2例について手術前のCT-データの提供を受けた。一人の患者さんは歯に金属詰め物があり、顔の約2cmほどの断層部が使えないことがわかり今後の課題とした。 [5]手術前外見写真と3次元モデルへの投影 前横2枚合計3枚の写真を3次元モデルに投影することで研究についてはプログレスが進み、医用画像工学会大会(平成9年7月)“CTとカラー写真を用いた顔部の3次元復元"および国際会議Computer Integrated Surgery(Linz,Austria,Sept.1)で“3D Reconstruction of Human Faces from CT and Photography"を発表した。このテーマで1編の論文を電子情報通信学会に投稿した。
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