研究概要 |
分散処理環境の進展により,ネットワーク上には多数のデータベースとその検索システムが存在しているが,これらを統一したインターフェースで利用できるようにすることが課題となっている。WWWでは,情報検索過程に特有である利用者ごとの検索集合の保持と操作機能を持たないという問題がある。情報検索用のプロトコルとして米国で1980年代から開発されてきたZ39.50は,クライアント/サーバー型の環境で統一した検索インターフェースを提供し,かつステートフルな検索を可能とする。Z39.50の応用範囲として,図書館のOPACの相互検索が考えられてきた。しかしながら,日本語への対応の問題などがあり国内での対応は遅れている。 昨年のZ39.50を国内規格とするための作業は完了し,本年度にJISとして出版されている。これに基づいて,Z39.50の実験システムを構築し,評価を行うことが本研究の目的である。実験対象となる公共図書館と大学図書館で使われている,図書館機械化システムを調査した。データベースとしての蔵書ファイルの構造および,各システムの外部インターフェースを検討した。外部インターフェースでは大きな改造を必要とすることがわかった。パーソナルコンピュータのUNIX上でIndex Data社のZebraを動作させ実験システムを構築した。なお,Z39.50メーリングリストを運営し,研究上の意見交換と普及活動を行っている。
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