研究概要 |
現在の分散処理環境において,多数の情報検索システムが存在しているが,これらを統一したインターフェースで利用できるようにすることが多年にわたり課題となっていた。まず,Z39.50を国内規格とするための作業は終了し,1999年にJIS23950として出版された。 現在,データベースサービスは,メインフレームによる検索システムからWWWによる提供へと移行しつつある。しかしながらWWでは,情報検索過程に特有であるステートフル,すなわち利用者ごとの検索集合の保持と操作ができない仕組み(ステートレス)である。被験者に課題を与えて両者について検索させ,その結果を検索戦術の観点から分析した。その結果,のWWWにおける検索は,検索の積み重ねができない上に,さらに制限された数の検索語を使用して検索を行わなければならないため,語単位の検索になり,WWW検索ではその限られた範囲内で,より適合性の高い文献をなんとか探しだそうとする試行錯誤的な検索戦術が多く存在することを明らかにした。 また,日本国内の大学図書館で使われている15種のOPACで書名と著者名の検索実験を行い,Z39.50の適用の前提条件を明らかにした。 なお,Z39.50メーリングリストを運営し,研究上の意見交換とともに普及活動を行った。
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