研究課題
研究最終年度である当該年度は、前年度までに試作した盲人用マルチメディア・パソコンの構成要素に改良を加えると共に、システム全体の総合動作評価を行った。(1)触覚マウスの改良:触覚マウスについては、これまでの使用経過からケーブルの断線や電源回路の不備などによる動作不良点が発見された。これらの問題点を解決すると共に、筐体の改良を含めた当該要素を安定化させた。(2)触覚グラフィック・ディスプレイの改良:前年度試作したディスプレイをパソコンに接続した場合に発生する誤動作の原因を解明する作業を行い、ピン・アクチュエータ駆動回路の全面的設計変更を行った。その結果、当該ディスプレイを安定動作させることを可能にした。(3)ソフトウエアの改良:触覚マウスや触覚グラフィック・ディスプレイのためのソフト的バグを除去すると共に、両者の触知ピンの動作確認を行うための検証ソフトウエアを追加し、保守作業を簡便化することができた。(4)総合動作:ワープロ、表計算、描画ソフトなど市販のアプリケーション使用時に触覚マウスや触覚グラフィック・ディスプレイが動作可能であるかの評価を行い、開発の目標とした触覚情報制御をこれら周辺機器で実行することが可能であることを明らかにした。さらに、聴覚利用のためのスクリーン・リーダーソフトとの連携動作実験を行った。その結果、想定したソフトウエア使用時での諸機能が発揮できる状態であることが確認され、盲人用マルチメディア・パソコンを完成させることができた。
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