研究課題/領域番号 |
09558048
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
坂本 弘志 北見工業大学, 工学部, 教授 (70003176)
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研究分担者 |
増井 俊明 立山アルミニウム工業株式会社, 立山総合研究所, 主席研究員
石本 敬志 北海道開発局, 開発土木研究所, 道路部長
高井 和紀 北見工業大学, 工学部, 教務職員 (50271755)
羽二生 博之 北見工業大学, 工学部, 教授 (70172955)
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キーワード | 高性能防雪柵 / 翼型防雪板 / 吹雪障害 / 視程障害 / 吹払い性能 / 実物柵モデル / 野外観測実験 / 空力特性値 |
研究概要 |
本研究は冬期間の道路上に発生する吹雪障害を防止するための、高性能防雪柵の研究開発を目的として行っているものである。本研究で目途としている防雪柵は、防雪板として、従来型のものとは全く異なる翼型形状を有するものである。本年度(平成10年度)は、前年度の風洞モデル実験を主体として得られた成果に基づいて、実用化を目途とし、設計・製作に必要な各種空力特性の評価を行った。あわせて、モデル化した防雪柵を野外に設置して観測実験を遂行し、その性能評価を行った。その結果以下の結論を得た。 (1) 防雪柵の支柱強度を評価する上で必要な抗力、防雪柵を設置する基礎部を評価する上での揚力、そして翼型防雪板の強度を評価する上での合力に関する、各種空力特性を明らかにした。 (2) 防雪柵を構成する4枚の翼型防雪板に作用する空力特性値は、それぞれ異なることが明らかとなり、設計・製作上貴重な結論を得た。 (3) 防雪柵上端から1枚目の翼型防雪板の後方にカルマン渦が形成されることが、風洞可視化実験によって明らかとなり、翼型防雪板のフラッタ現象についての検討の必要性が判明した。 (4) 全長30mの翼型防雪板を有する実物モデル柵を、北海道石狩郡厚田町の国道231号に、従来柵と隣接する形で設置し、野外観測実験を行った結果、以下の結論を得た。 (1) 防雪柵の性能を支配する下部間隙流を、可視化観測並びに風速分布測定によって調べた結果、従来柵における下部間隙流は、道路幅6m付近から急激に巻き上るが、開発柵のそれは道路上で巻き上ることなく、道路面に沿って移動することがわかった。 (2) 地吹雪発生時、並びに大規模な吹雪発生時の視程の観測を行った結果、従来柵に較べて、視程は数段向上することがわかった。 (3) 防雪柵下流側の路外の堆雪高さは、開発柵では最大高さ50cm、従来柵のそれは200cmとなり、開発柵の吹き払い性能は従来柵に較べて、数段すぐれていることがわかった。
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