研究課題/領域番号 |
09558055
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 浩孝 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70207653)
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研究分担者 |
北川 雅俊 松下電器産業(株), 中央研究所, 主任研究員
中村 圭二 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20227888)
菅井 秀郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005517)
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キーワード | 多結晶シリコン / 誘導結合プラズマ / 低温形成 / 高密度プラズマ / 高速堆積 |
研究概要 |
多結晶シリコン(poly-Si)膜は水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)膜をはるかにしのぐ高い移動度を持つことから優れた薄膜トランジスタ(TFT)の作成が可能であり、集積化に適したデバイスといえる。しかしpoly-Si膜生成においてはこれまでのところ低温で大面積の膜生成をおこなうという2点を両立させる手法が確立されていない。本件級は誘導結合方プラズマを用いることにより300℃以下の低温でpoly-Siの作成をおこなう手法を確立することを目的としており、本年度は以下の点について研究を行った。 1)原料ガスであるシランを水素希釈することによる膜質の向上 2)排気速度の増加が膜質に及ぼす影響 3)放電アンテナの構造の改良による膜質の向上 まず水素希釈による膜質向上の実験については、X線回折測定より結晶性の顕著な改善が認められた。しかしながら、水素希釈率増加にともなうシラン導入流量の減少により成膜速度が低下するという問題を持つことが確認された。そこで放電条件(圧力、放電電力)を維持しつつ導入シランガス流量を増加させるため、大型の真空排気装置を取り付けることにより導入ガスの大流量化を図った。その結果、成膜速度の向上が見られるものの、膜の結晶性が劣化る傾向が見られ、この方法では膜質と成膜速度の向上を同時に図ることが難しいことが示された。 これらの問題を解決する方法として、アンテナの構造を改良する金属フローティングアンテナを表面絶縁被覆する実験をおこなった。その結果アンテナの絶縁被覆により、プラズマ密度の向上と膜質の向上が見られることが明らかとなった。
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