研究課題/領域番号 |
09558057
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石榑 顕吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010975)
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研究分担者 |
堂前 雅史 (財)産業創造研究所, 研究員
逸見 幸雄 (株)東芝, 原子力技術研究所, 主幹(研究職)
広石 大介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20199110)
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60231859)
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
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キーワード | 水化学 / 亜鉛注入 / 金属酸化皮膜 / 高温水系熱力学 / クロムイオン / クロマイト / フェライト / 溶解度 |
研究概要 |
軽水炉一次冷却系の水化学制御法として近年注目を集めている亜鉛注入について、その有効性とプラント固有の最適条件評価のための解析手法を確立するために、関連する化学種の熱力学データの整備を行った。先ず、Zn^<2+>イオンの加水解離反応(第3段まで)の平衡定数をイットリア安定化ジルコニア(YSZ)サンサーを使用して、高温(150、200、250℃)で滴定によるpH変化を測定することによって決定した。これらの値と室温近辺での通常のpHメーターによる測定結果と合わせて、各平衡定数の温度依存性を決めることができた。次にテフロンで内ばりした特殊オートクレーブを用いてZnOの溶解度を/50、200、250℃で測定した。上記のZn^<2+>イオンの加水解離定数の値を用いた熱力学的解析からZn^<2+>イオンの標準生成自由エネルギー△_fG^oを150、200、250℃において求めた。更に、150、200、250℃においてZnFe_2O_4の溶解度の測定を行い、上記のデータを用いた熱力学解析から溶解機構を検討し、ZnFe_2O_4の溶解が、ZnFe_2O_4とFe_2O_3の両者の溶解析出平衡によって決定されていることを明らかにした。 高温水系におけるZnの挙動に関連して重要な役割を果たすと考えられるCrについて同様の実験を開始した。先ずCr^<3+>の加水解離定数の測定を25、50、75、200℃で行った。またHCrO_4^-イオン解離定数の測定を現在進めている。またCr_2O_3の溶解度の測定を脱酸素及び酸素共存系で行っている。 上記実験とは別に高温水の放射線分解のシミュレーションに必要な高温におけるG値及び反応速度定数のサーベイを行っている。
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