研究課題
昨年度に引き続き、研究2年度の本年は、輝尽発光(PSL)イメージのフェーディング現象に着目し、そのメカニズムの解明およびフェーディング現象を示さない輝尽性蛍光体の探索および開発を目的の研究を推進した。その結果、以下に示すような成果を得た。(1) 昨年度の研究でKBr:Eu輝尽性蛍光体が優れたフェーディング特性を示すことを明らかにした。本年は、引き続き、KBr:Euに着目し、Euの濃度を変化させた場合のフェーディング特性の評価を行った。その結果、Eu濃度0.01mol%のものがもっとも良好なフェーディング特性をしめすことを明らかのできた。(2) フェーディングの原因となる要素を検討したところ、湿度、Euの濃度、母体の結晶性、温度等いくつかの要素がフェーディング特性に影響を与えていることが分かった。(3) 特に湿度によるフェーディングを抑える目的で、蛍光体表面に有機薄膜によるコーティングを試みた。その結果、輝尽性蛍光体の放射線に対する感度を損ねることなく、フェーディングを抑える効果があることを見いだした。
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