研究課題/領域番号 |
09558069
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
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研究分担者 |
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
北田 敏廣 豊橋技術科学大学, エコロジー工学系, 教授 (40093231)
烏谷 隆 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30150527)
辰野 正和 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70038553)
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キーワード | エアロロゾル / 大気環境変動 / 全球モデル / 地球温暖化 / 大気放射 / 雲物理 / パラレル演算 / ペクトル演算 |
研究概要 |
数値モデルとして、「化学物質の輸送・反応・沈着モデル」と「球座標系の輸送・拡散スペクトルモデル」を結合して、前者は150以上の反応(気相、液相、固相、表面反応)を含み、気相と6種のhydrometeors(雲粒、氷晶、雨.雪、雹、霧)間の物質移動、二次粒子(エアロゾル)生成を含むもので、これまで、メゾ・リージョナル規模の光化学オゾン、酸性雨、酸性雪の数値研究に用いてきた。このモデルに、エアロゾルの「ソース・シンク」、「反応」、「放射フォーシング」の精緻化されたサブモデルを組み込み、グローバル3次元の数値モデルを構築することを目的とした。 本年度「ソース・シンク」の研究では、土壌、海塩粒子の飛散、海面、地表物への乾性沈着の機構のモデルの精緻化を図った。また、エアロゾルの前駆体であるSO_Xとして、火山、海洋起源のもの、NO_Xとして土壌起源、バイオマスバーニング、雷起源のものについて、1度_X1度のメッシュデータを整えた。また、「反応」の研究では、無機二次粒子についての熱力学平衡のモデルを構築した。これは、大気中無機化合物の気・液・固体状態の存在割合、したがってエアロゾルの生成量を決めるものである。これにより、エアロゾルの全球的の分布の計算が可能になった。次年度以降、「放射フォーシング」の研究を実施し、エアロゾルの光学的厚さの他に、エアロゾルの化学組成が放射吸収率や前方散乱、後方散乱の比など放射特性に及ぼす影響を調べる。 本年度、「高速演算手法」の研究では、高速ベクトル化とパラレルプロセッシングのソフト面の開発を行った。本数値モデルのプログラムの並列計算のための書き換えを行う。この種の数値モデルでは、輸送、沈着過程に較べて反応過程に数十倍の計算時間を要するため、ベクトル化とパラレルプロセッシングは高速演算に特に有効であると考えられる。従来に較べて25倍の高速演算が可能になった。
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