研究課題/領域番号 |
09558070
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井出 博 広島大学, 理学部, 教授 (30223126)
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研究分担者 |
佐々木 一美 (株)同仁化学研究所, 研究部長
久保 喜平 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40117619)
寺東 宏明 広島大学, 理学部, 助手 (00243543)
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キーワード | DNA損傷 / アベイシックサイト / デプリネーション / ARP / 定量 / ビオチン / アルキル化 |
研究概要 |
本研究では、DNA中のAbasic(AP) siteの高感度定量を目的としたARP法の測定条件検討と、アルキル化剤処理細胞のDNA中に生じた微量なAP siteの定量を試みた。 DNAの固相化に用いるプレートの検討では、従来のUV照射プレートに比べ、アミノプレートは約10倍のDNA結合能を有していること、さらに、プロタミンプレートでは固相化時間が短縮できることが明らかとなった。また、微量のAP siteを定量するためには、スタンダートDNAとサンプルDNAを等濃度でプレートに固相化する方法では十分なシグナルが得られないため、これを解決するために、スタンダードDNAを異なる濃度で固相化し、シグナルとの相関性を調べた。今回使用した2種類の基質(ABTS,o-PDA)どちらの場合においても、固相化時のDNA濃度と熱処理時間に対するシグナルの傾きとの間に直線的な相関が認められた。[^3H]-チミジンでラベルしたDNAを用いて調べた結果、DNA濃度0-2.0μg/mLの範囲でDNAの結合量に直線性が確認された。したがって、この範囲では、異なったDNA濃度で固相化しても比較可能であることが明らかとなった。 以上の結果に基づき、実際に生存率に影響を与えない濃度のMMSで処理したRC355細胞のDNA中に生じるAP siteの定量を試みた。この際、スタンダードDNAと低濃度(0.5-2.5mM)のMMS処理細胞より抽出したDNAの固相化時の濃度は、それぞれ、0.2と1.0μg/mLとし、基質に高感度のo-PDAを使用した。この結果、100%生存濃度(0.5mM)のMMS処理細胞のDNA中においても、10^5ヌクレオチドあたり約0.5個のAP siteを検出した。
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