研究課題/領域番号 |
09558080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90183037)
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研究分担者 |
牟田 達史 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60222337)
河野 敬一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10136492)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 抗菌ペプチド / キチン / 自然免疫 / リポ多糖 / カブトガニ |
研究概要 |
今回は、カブトガニの血球や体液中から、微生物の表層成分を認識するレクチンや、抗菌ペプチドを発見した。タキレクチン-1は、リポ多糖に共通した構造要素を認識するとともに、アガロースやデキストランに吸着する性質がある。タキレクチン-2は、生物に普遍的にみられるD-GlcNAcやD-GalNAcを認識し、また、タキレクチン-3やタキレクチン-4は、特定のグラム陰性菌のO-抗原に見られる糖や糖鎖構造を特異的に識別した。タキレクチン-5は、さらに構造的な単純なアセチル基を標的としている。カブトガニ血球より3種類のキチン結合性タンパク質を精製し、タキスタチンと命名した。タキスタチン類の特徴は、大腸菌などのグラム陰性菌よりも、グラム陽性菌や真菌に対して強い抗菌活性があり、なかでもタキスタチンCがもっとも強い活性を示す。いづれのタキスタチンにも、リポ多糖感作赤血球をリポ多糖依存的に溶血する性質があり、その溶血活性は、直径2.4nm程度の穴を細胞膜に開けていることが推定された。さらに、カブトガニのN-アセチルグルコサミン認識レクチンのX線結晶構造解析を行い、非自己認識におけるパターン認識の一端を明らかにした。
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