研究課題/領域番号 |
09558082
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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研究分担者 |
吉田 圭一 生化学工業株式会社, 糖鎖プロジェクト, チームリーダ
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (70240017)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40221915)
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キーワード | グリコサミノグリカン / 硫酸化 / ヘパリナーゼ / コンドロイチナーゼ / 線虫 / デルマタン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / ヘパリン |
研究概要 |
動物組織のみに見い出され、高等な細胞での様々な機能が証明されてきている硫酸化グリコサミノグリカン糖鎖について、以下のような研究成果をえた。 (1)ヌタウナギ脊索の多硫酸化コンドロイチン硫酸H(多硫酸化デルマタン硫酸E)から新規の8種類の四糖と5種類の六糖を単離し、構造決定した。また、これらのオリゴ糖鎖のプロトンNMRスペクトルのデータを得た。 (2)構造解析に必須のToolとしてのバクテリア(Prevotella heparinolytica)由来のへパリン/ヘパラン硫酸の分解酵素であるへパリナーゼおよび同じくバクテリア(Flavobacterium)由来のコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸に作用するchondroitinase Cの基質特異性をそれぞれ明らかにした。 (3)蛍光試薬である2-aminobenzamideで糖鎖の還元末端を標識することによって、硫酸化グリコサミノグリカンの微量組成分析法を開発するとともに、この標識法とコンドロイチナーゼやハパリチナーゼなどの糖鎖分解酵素による消化を組み合わせることによって、高感度な糖鎖シークエンシング法を開発した。 (4)上記の新しく開発した微量分析法を用いて、線虫C.elegansに硫酸化されていないコンドロイチンと高度に硫酸化されたヘパラン硫酸が存在することを世界に先駆けて明らかにした。非常に下等な動物種にもこれらのグリコサミノグリカンが存在することから、それらの糖鎖の重要性が示唆された。
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