研究課題/領域番号 |
09558093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 衛 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (60170784)
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研究分担者 |
雨宮 慶幸 東京大学, 工学部, 教授 (70151131)
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物資創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | X線溶液散乱 / X線小角散乱 / 時分割測定 / 動的構造解析 / タンパク質の溶液構造 |
研究概要 |
佐藤は、動的構造研究に用いる試料槽として市販のストップトフロー混合装置を改良したものを作成した。これまで使用してきた湾曲全反射ミラーによる入射X線を集光させるX線光学系に代わり、入射X線を「人工多層膜集光ミラー」で集光させる光学系をX線溶液散乱装置に組み込んだ。その結果、試料溶液に照射するX線強度が従来の光学系に比べて10倍以上向上し、先に作成したストップトフロー混合の試料槽とともに、タンパク質の動的構造研究に最適のハードウエアーを完成させた。 また、片岡は、静的な散乱データの解析システムとして、非天然状態のタンパク質の高次構造解析や重原子置換法を応用した反応中間体の構造解析システムを開発し、ラクトアルブミンやバクテリオロドプシンなどの系に応用した。また、動的な散乱データの解析では、時分割測定で得られたデータを特異値分解し、タンパク質の動的構造を解析する新しいアルゴリズムを開発して、紫膜の光反応の時分割X線散乱データに適用した。その結果、光吸収後に生成するシッフ塩基の脱プロトン化した中間体(M中間体)からの戻り反応において、2つの異なる構造を取ることを世界に先駆けて明らかにした。 一方、雨宮は、X線イメージインテンシファイヤーと冷却CCDを組み合わせた高感度2次元X線検出器の開発を行い、蛍光体と縮小型光ファイバーをCCDに組み合わせたモジュールをモザイク状に並べたアレイ状CCD型X線検出器を製作した。さらに、3×6個のCCDをアレイ状に並べた有効面積236×236mmのCCD型X線検出器も合わせて開発し、高感度で時間分割測定に最適な検出器システムを構築することに成功した。
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