研究課題/領域番号 |
09558094
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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研究分担者 |
相田 美砂子 広島大学, 理学部, 教授 (90175159)
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
藤戸 輝昭 日本電子データム, AI技術部, 課長
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キーワード | 原子間距離 / 双極子相互作用 / 三次元構造 / REDOR / 分子動力学 / 膜結合生体分子 / 同位体標識 / 分子配列 |
研究概要 |
分子内の原子間距離を精密に測定することにより、分子の三次元構造の構築が可能になることをこれまで示してきたが、本年度は分子間の原子間距離を測定する基礎検討と天然存在比^<13>C-REDORによる多数の原子間距離の同時測定についての基礎検討を行い以下の成果が得られた。 1.分子間の原子間距離を測定するため、同位体二重標識試料を非標識試料で希釈した試料を調整して原子間距離の測定を行った。この試料では分子間双極子相互作用の寄与を無視することができるので、希釈を行わない試料における測定結果と比較することにより、分子間の原子間距離情報を得ることが可能になった。この分子間の距離情報から分子の立体構造のみならず、分子の配列に関する情報を得ることが可能になった。 2.二重標識試料を用いる原子間距離測定においては、単一の試料において一対の原子間距離が得られるのみであったが、^<15>N核を標識し、天然存在比の^<13>C-REDORを観測することにより、一度の試料調整およびREDOR測定から同時に多数のC-N原子間距離を求める事が可能になった。さらに分子内と分子間の双極子相互作用の寄与を、希釈試料を用いた実験を組み合わせる事で、分離することに成功し、天然存在比^<13>C-REDORによっても高い精度の原子間距離を同時に多数求める事が可能になった。 以上開発してきた分子内および分子間の原子間距離の精密測定法と分子動力学によるエネルギー最適化を組み合わせることにより固体生体分子ならびに膜結合生体分子の三次元構造を構築する解析システム化が確立した。
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