研究課題/領域番号 |
09558095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菊池 韶彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (40283428)
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研究分担者 |
田中 真人 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
紅 朋浩 名古屋大学, 医学部, 助手 (00222513)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | DNAトポイソメラーゼ / モノクロン抗体 / エピトープ / 細胞周期 / シグナル配列 / 核内局在化 / 診断と治療 / 真菌 |
研究概要 |
1.抗DNAトポイソメラーゼIIαに対するモノクロン抗体のエピトープ解析 100種をこえるDNAトポイソメラーゼIIα及びβに対するモノクロン抗体から、代表的ないくつかを選びオリゴペプチドのレベルでエピトープを決め、in vitroでの抗体の作用とin vivoでの作用を比較した。核移行シグナルと高い種特異性を示すC末端部分に相当するQ領域については、ヒトDNAトポイソメラーゼIIαに対する代表的なモノクロン抗体8D2を選び、更に詳細なエピトープのマッピングをした。同じくモノクロン抗体6H8酵母からヒトまで、殆どすべての真核生物のトポIIを認識した。 2.糸状菌アスペルギルスのII型DNAトポイソメラーゼの解析 酵母や糸状菌には、難治性の深在性真菌症をおこすものがあり有効な抗菌剤の開発が望まれている。ここでは、分子生物学の研究材料として広く使われており、遺伝解析の可能なアスペルギルス・ニヂュランス、アスペルギルス・テレウスを材料にII型DNAトポイソメラーゼの遺伝子の全塩基配列を決定した。C末端領域にある核移行シグナルについては、アスペルギルス・テレウスを例に取り、アラニン・スキャンニングを行い必須なアミノ酸残基を同定した。カンジダ、アスペルギルス、ペニシリウムなど酵母、糸状菌類のDNAトポイソメラーゼの遺伝子の塩基配列を決定し、PCRによる迅速診断法を開発した。 3.トポIIβの新しい局在領域とそのシグナル ヒトやマウスののQ領域には、核移行シグナルに加えて、核小体移行シグナルの存在が示唆されているが、これは核小体ではなくその近傍にみられる新規な領域であることを確認した。この領域に移行するためのシグナルを同定したところ、類似した配列を持つものが見つかり、シャペロンとして知られるNPI46をはじめ多くはRNAに結合する機能を備えていた。 4.この研究に使ってきた抗トポII抗体については共同研究者とともに三菱化学を通じて、特許の申請がなされ、同時に研究用試薬として販売されることになった。
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