研究課題/領域番号 |
09558099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
田井 直 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (70112092)
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研究分担者 |
米川 博通 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (30142110)
烏山 一 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60195013)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | トランスジェニックマウス / 糖鎖 / 抗体 / 神経症 / auto-immune disease / neuropathy |
研究概要 |
糖鎖抗体遺伝子導入によるトランスジェニックマウスの作製を行った。一連の抗糖鎖抗体の中より、高力価で比較的結合特異性の低い、具体的には、すべてのb系列ガングリオシドと強く反応するが、その他の糖脂質とは反応しない抗体を選択した。この抗糖鎖抗体産生ハイプリドーマ株由来のmRNAよりRT-PCR法を用いて目的とするVH鎖とVL鎖のcDNAをクローニングした。このcDNAの情報を素にゲノム遺伝子の単離を行い、遺伝子組み換え体を作製した。これら抗体遺伝子をB細胞株に導入して、抗体産生をELISAにて確認後、常法にしたがってトランスジェニックマウスを作製した。GD3などに対する高い抗体価が認められたが、これらマウスは外見的には病的所見が認められなかった。ギラン・バレー症候群などの発症には病原体の先行感染がみられることが多く、その機序として感染後の炎症作用が重要な因子と想定されている。そこで、炎症惹起薬剤投与による神経症状の誘発を試みた。これらトランスジェニックマウスに、S.minnesota由来LPSを経口投与し、末梢神経症状の観察と血中のGD3に対する抗体価のモニタリングをおこなった。しかし、末梢神経障害症状の誘発やGD3に対する抗体価の更なる上昇は認められなかった。次に、サイトカインなどの投与による神経症状誘発の可能性を検討したが、症状の惹起は認められなかった。現在、IgG2a型抗ジシアロガングリオシド抗体産生トランスジェニックマウスの作製を行っている。方法は、H鎖の定常部遺伝子を膜貫通ドメインをのぞいたG2a定常部遺伝子に置換した組み換えH鎖(IgG2a)遺伝子を構築した。常法に従って、H鎖(IgG2a)とL鎖の遺伝子をマウス受精卵に注入しトランスジェニックマウスの作製を試みている。IgM型抗体は胎盤を通過しないが、IgG型は通過するので、個体形成への関与も考えられ、今後詳細な検討を加える予定である。
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