研究課題/領域番号 |
09558100
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
和田 圭司 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第4部, 部長 (70250222)
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研究分担者 |
森田 琢磨 山之内製薬株式会社, 薬理研究所, 研究員
西川 徹 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第3部, 部長 (00198441)
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キーワード | 疾患モデルマウス / 脊髄小脳変性症 / 運動失調 / アミノ酸 / Dセリン / グルタミン酸受容体 / NMDA受容体 / 治療薬 |
研究概要 |
Dセリンは脳特異的な内在性のD体アミノ酸で、NMDA型グルタミン酸受容体のストリキン非感受性グリシンサイトを認識するモデュレーターとして知られている。我々はこれまでの研究でNMDA受容体のアンタゴニストであるPCP(1-phenyl cyclohexyl piperidine)投与により齧歯類で運動失調が誘発されること、及びDセリンがPCPで誘発される運動失調を抑制することを見いだしていたので、Dセリン誘導体(Dセリンエチルエステル、Dサイクロセリン)の運動失調症改善作用の有無についてシトシンアラビノシド処置により作製した小脳変性マウス並びにreeler,pcdなどの遺伝性小脳変性マウスを用いて検討を加えた。運動失調の重篤度の指標にはオープンフィールド法により算出された転倒指数を使用した。薬剤は腹腔内に投与した。 まず予備的実験としてDセリンエチルエステル投与により小脳細胞外Dセリン濃度の推移を微小透析法にて計測したところ、投与後45分をピークに3時間以上に渡って細胞外Dセリン濃度の上昇持続することを見いだした。この結果に基づき、Dセリン誘導体の治療効果の判定は投与後30分から1時間までの30分間で行うことにした。 その結果、シトシンアラビノシド処置マウス、遺伝性小脳変性マウスのいずれにおいてもDセリンエチルエステル投与による用量依存的な転倒指数の改善を認めた。この効果は異性体であるLセリンエチルエステルでは認められなかった。またシトシンアラビノシド処置マウスにおける運動失調がやはり用量依存的にDサイクロセリン投与により改善することを見いだした。 以上の結果はDセリン誘導体が運動失調症改善の有力な候補薬剤であることを示す。
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