研究課題/領域番号 |
09558102
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
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研究分担者 |
伊藤 直徳 仁木工芸(株), 取締役
新田 浩一 住友金属工業(株), 参事補
中 大輔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80290914)
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
金桶 吉起 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20280589)
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キーワード | 磁場 / 脳磁図 / 超小型 / SQUID / 脳機能 / 末梢神経 / 脊髄 |
研究概要 |
本年度はmicro-SQUIDのセットアップと種々の基礎実験を行った。Micro-SQUIDは特注で製作した世界唯一の機器であり、実用化には多くの解決すべき問題点があった。本機器は直径3cmの円筒の中に直径3mmの超小型検知コイルが12個配列され、各コイルはやはり超小型のSQUIDに連結している。そのため各コイルおよび各SQUID間の干渉作用が出現した。すなわち1個のSQUIDの不調があっても、それが他のSQUIDに影響するのである。またすべてのSQUIDの性能を精密に揃える必要があり、かなりの時間をさいて調節しなければならなかった。また磁気シールドルームにもいくつかの問題点が発見され、新たに組み立て段階からおこなわざるを得なかった。ソフトウェアの多くも新たに作成したが、初期マイナ-トラブルが多く発見され、それを1つずつ解決せねばならなかった。 従って実際の計測が可能となったのは1997年10月であった。まず指を刺激して末梢神経を上行する活動電位の計測が可能であることを確認した。また同様の刺激条件時に頭皮上に本機器をおいて初期皮質成分の記録に成功した。いずれも、脳波あるいは大型脳磁計によって記録される脳磁図に比し、詳細かつ明瞭な記録であった。来年度はさらに聴覚、視覚、嗅覚などの刺激による反応記録も開始する。現在はヒトを対象とした研究が主体であるが、今後はさらにサルでの実験も考慮している。来年度にはデータを学会等で発表予定である。
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