研究課題/領域番号 |
09558102
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
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研究分担者 |
山崎 浩 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50321609)
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
金桶 吉起 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20280589)
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キーワード | 超小型、 / 高分解能、 / 磁場、 / MICRO、 / SQUID、 / 脳機能、 / 視覚、 / 体性感覚 |
研究概要 |
本研究に用いたMicro-SQUIDは特注で製作した世界唯一の機器であり、実用化には多くの解決すべき問題があった。本機器は直径3cmの円筒の中に直径3mmの超小型検知コイルが12個配置され、各コイルはやはり超小型のSQUID(超伝導量子干渉素子)に連結している。そのため各コイル及び各SQUID間の干渉作用が出現した。すなわち、たとえ1個のSQUIDに不調があっても、それが他のSQUIDに影響するのである。またすべてのSQUIDの性能を精密に揃える必要があり、かなりの時間を割いて調節しなければならなかった。また磁気シールドルーム(これも世界で最も小型のものを特注した)にもいくつかの問題点が発見され、新たに組み立て段階からおこなわざるをえなかった。ソフトウェアの多くも新たに作成したが、初期マイナートラブルが多く発見され、それを1つずつ解決せねばならなかった。したがって、実際に記録解析が可能となったのは1999年に入ってからであった。 先ず末梢神経の記録を行った。指を刺激して手首部を上行する活動電位の計測を行った。Micro-SQUIDの極めて高い空間分解能は、上行する刺激信号が4双極子であること、またその伝導時間が平均58.7m/secであることを明らかにした。信号が上行する状況をmsec単位で明確かつ詳細に記録したもので、世界で初めての報告であった。また同様の刺激条件時に頭皮上にMicro-SQUIDを置いて初期大脳皮質反応の記録に成功した。現在は、さらに聴覚、視覚などの刺激による反応記録も行っている。現在はヒトを対象とした研究が主体であるが、今後はさらにサルでの実験も考慮している。
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