研究概要 |
アクチンプロモーター+lox71配列+ブラストサイジンS耐性遺伝子というコンストラクトを1コピー持つES細胞からキメラマウスを作製し,それを掛け合わせることで、lox71配列を持つマウスラインを確立した。このES細胞は,エレクトロポレーションでlox66配列を持つプラスミドとCreの発現ベクターと同時に導入すると,プラスミド配列がゲノム上のlox71部位へある一定の割合で挿入されることを既に確認している細胞である。確立できたマウスライン,lox71bsr-11をふやし,hemizygoteのオス14匹を用意した.そのオスに過排卵をかけたBDF1のメスを掛け合わせることで受精卵を採取し,Creの発現ベクターとlox66配列の3´側に大腸菌のβ-galactosidase遺伝子(lacZ)を配置したTargeting plasmidを同時に前核にマイクロインジェクションをおこなった.3日後にX-gal染色することにより,Targeting plasmidがアクチンプロモーターの後ろのlox71部位にうまく挿入されたかどうか,どういう条件が最適かを検討した.その結果,Creには核移行シグナルを付けたほうがよいこと,Targeting plasmidの濃度は高くしたほうがよいことなどがわかってきたが,最も良い結果が得られたときでもその効率は4%であり,当初の目標とした10%にはまだ達していない.また,Targeting plasmidの濃度を高くすると発生率が下がるので,今後はマイクロインジェクションした卵を実際に発生させて調べていく予定である.
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