アクチンプロモーター+Iox71配列+ブラストサイジンS耐性遺伝子というコンストラクトを1コピー持つES細胞からマウスラインを樹立し、ホモ化を行った。そのホモのオスに。過排卵をかけたメスマウスを掛け合わせ、採卵を行い、その前核にlox66+NLSLacZ+MC1neo+pBSというプラスミドとCreの発現ベクターであるpCAGGS-Creを同時にマイクロインジェクションした。このtarget plasmidがlox71の部位に挿入されると、NLS-LacZ遺伝子がCAGプロモーターの下流にくるため、X-gal染色で青染される。マイクロインジェクション後、受精卵を仮親の卵管に移植し、12日後に胎児を取り出し、X-gal染色を行うと同時に、その胎盤からDNAを抽出し、transgeneの有無や、標的導入の有無をPCRで確認した。さまざまにinjectionの条件を変え、およそ3500個もの受精卵にマイクロインジェクションを行った。transgeneを持っていた486の胚のうちX-Gal染色されたのは5つで、挿入効率はおよそ1%であった。これらのX-Gal染色陽性胚では、いずれもgenomic DNAの解析でも標的導入が確認された。この数字は、実用化には低いので、更なるシステムの改良を行い、挿入効率の上昇を目指..してい<予定である。 また、プロモーター資源として、いろいろな発現パターンを示すlox配列を持つトランスジェニックマウスの作出を行った。そのためには、各種プロモーターでトランスジェニックマウスを作出する方法もあったが、ひとつのコンストラクトでも多くのラインを作らねばならず、効率が悪い。そこで、遺伝子トラップ法により内在性のプロモーターを利用する方法でマウスラインの確立を行った。現在までに17ラインを樹立し、発現パ.ターンによる分類を行っている。
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