研究課題/領域番号 |
09558110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安斉 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
柏木 良友 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50204384)
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (30226493)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 固定化酵素 / 超薄膜 / バイオセンサー / 酵素薄膜 / 耐久性 / アビジン / ビオチン |
研究概要 |
本研究では固定化酵素膜の耐久性向上に主眼をおいて、ビオチン標識酵素とアビジンを用いた新しい固定化酵素薄膜の製造法の開発を研究した。本法による固定化酵素膜の製造時の条件(溶液濃度、温度、pH,処理時間、洗浄時間)を最適化することにより、グルコースオキシダーゼ(GOx)を用いた場合には数ヶ月の使用に耐える性能の酵素薄膜を製造することが可能であった。次に、高耐久性の実現と、薄膜内に多量の酵素を固定化することを目的として、アビジンとともに合成ポリマーを同時に使用することを企画し、ポリマー・アビジン複合膜の調製を検討した。ビオチンで標識したポリアミン類を用いると、ポリエチレンイミン(PEI)やポリアリルアミン(PAA)では多量のアビジンが固定化できることが判明した。また、ポリアニオン類を用いるとこれらのポリマーをビオチン標識することなく、静電引力によりアビジンとともに薄膜状にすることが可能であった。この場合には、ポリビニル硫酸やポリスチレンスルホン酸などの柔軟な構造のポリマーを用いると多量のアビジンを固定化することが可能であった。これらのポリマーとGOx修飾アビジンを固定化して薄膜とすると、GOxは薄膜中でも酵素活性を保持していることがわかった。この薄膜では、合成ポリマーによりGOxが保護されているため堅固な酵素薄膜となった。また、一般にこれらの酵素薄膜は、製造および保存に際して常に湿潤状態にしておくことが性能保持にとって必要であった。本研究により、アビジンとビオチン標識酵素を用いた固定化酵素薄膜の製造や保存の方法が基本的に確立され、実用的な耐久性の酵素膜の開発に有用な知見を得ることができた。
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