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1997 年度 実績報告書

キセノンガスを利用した普遍的かつ容易な蛋白結晶構造解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09559005
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

三井 幸雄  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)

研究分担者 東 常行  理学電機(株), 研究員
野中 孝昌  長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30242457)
キーワードキセノンガス / 蛋白結晶学 / X線解析 / X線結晶構造解析 / 蛋白構造 / 重原子同型置換法
研究概要

キャピラリー付きキセノン封入装置の試作を行った。70気圧程度までの耐圧性のある市販の樹脂製T字ジョイントと2方コック、および溶融水晶キャピラリーを接続することで、ほぼ設計通りの装置の作製に成功した。キャピラリーの破損などの危険性が生じることはなかったが、接続部からの漏れのため内部圧力が必要とされる50気圧まで達することはなかった。現在、この問題を克服するため接続部に使用する接着剤の検討を行っている。
一方、キセノンガスを低圧で高濃度の状態に保つためには、低温にすることが有効である。そこで、結晶の封入されたキャピラリーの先端を液体窒素温度に冷却することで、キャピラリー内部の温度を下げる予備実験を行った。ヘキシレングリコールから析出されたウシガエル卵由来レクチンでは、低温化による結晶への損傷は見られなかった。さらに、結晶がキャピラリーに接触している部分を外部から冷却することで結晶の温度を液体窒素温度にすることも試みた。フラッシュクーリングとは異なり、徐々に結晶の温度が低下するので凍結による破壊が懸念されたが、予想に反して良質なX線回折強度データを得ることができた。放射光研究施設において、キャラリー内で100Kに冷却した結晶からは1.2Å分解能を超える極めて高分解能のX線回折強度データを得ることに成功した。低温であるので、キセノン原子の解離を抑える効果を期待できる。
また、多くの種類の蛋白質で予備実験を行うために、種々の結晶をルーチンに作製する条件を確立した。特に、ブタ由来トリプシンでは従来報告されていない晶系(正方晶系)の結晶を得ることに成功し、1.9Å分解能での構造解析を行った。セリンプロテアーゼの活性中心にはキセノンが結合するとの報告があるので、現在、ブタトリプシンを中心にキセノンガスの結合実験を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Niimura,I., Minezaki,Y., Nonaka,T., Castagna,J-C., Ciprianl,F., Hoeghoej.P., Lehmann,M.S., & Wilkinson,C.: "Neutron Laue diffractometry with an imaging plate providea an effective data collection regime for netron protein crystallography." Nature Struct.Biol.4. 909-914 (1997)

  • [文献書誌] Nakanishi,M., Netsuura,K., Kaibe,H., Tanaka,N., Nonaka,T., Mitsui,Y. & Hara,A.: "Switch of coenzyme specificitiy of mouse lung carbonyl reductase by substitution of Threonine 38 with Aspartic acid." J.Biol.Chem.272. 2218-2222 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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