研究課題/領域番号 |
09559007
|
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60179893)
|
研究分担者 |
田中 栄次 渋谷工業, メカトロ生産本部医療機器設計課, 研究員
阪口 利文 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (10272999)
村上 裕二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (70272995)
|
キーワード | イオン選択性トランジスタ / 人工透析 / バイオセンサー / マイクロマシン / 医療用センサー / 尿素 / オンラインモニタリング |
研究概要 |
尿素は人工透析治療において老廃物除去の程度を調べるのに使用される重要な指標であるが、透析治療中の連続的なモニタリングは困難であり、医師は経験により透析時間・除水量等を決め、人工透析を行っている。そこで本研究では透析患者の血液を必要とせずに、リアルタイムに患者の状況(老廃物の除去の程度)を把握するセンサーを実現すべく、人工透析排液を利用する尿素センサーについて研究を行った。 牛血清アルブミン(BSA)とUreaseをリン酸緩衝液に溶解させた酵素溶液をイオン感応性電解効果型トランジスター(ISFET)の電極部に滴下し乾燥後、グルタルアルデヒドで酵素の固定化を行った。 測定方法は、20unit相当の酵素を固定化した電極、銀塩化銀電極を恒温槽に浸し、透析液に尿素溶液加えた試験液を順にポンプで送り込み、液置換が完了した後ポンプを止め測定を行った。高濃度尿素測定用としては、51unit相当の酵素を固定化した電極を用いて、酵素膜をさらに透析膜で覆った電極セルを使用し同様の測定を行った。また、疑似血液による人工透析治療環境で排液回路内に組み込んだ電極にて応答を測定した。 バッチ式での測定では尿素濃度0.1-3mMの範囲において対数的な応答値を示すデータが得られた。次に、高尿素濃度測定では尿素濃度1-50mMの範囲において対数的な応答値を示した。このように透析液中での尿素濃度を測定するセンサーが作製できた。 模擬的な人工透析治療での透析排液中の尿素モニタリングでは尿素除去の様子を連続的にモニターすることが可能であった。さらに、透析患者の血中尿素濃度を算出するためにダイアライザー評価に使用されるクリアランス算出式を利用した方法を行うことができた。
|