研究課題/領域番号 |
09559010
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 眞 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (30144398)
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研究分担者 |
小野 浩 セイコー, イージアンドジー株式会社・開発営業一課, 主任研究員
前田 信博 福井工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40124028)
戸崎 充男 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70207570)
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キーワード | 放射光 / 高エネルギーX線 / 2次元 / 検出器 |
研究概要 |
本研究の目的は、放射光からの5-100keVといった高エネルギーX線に対する高性能2次元位置検出器を開発し、実用レベルで完成させることである。具体的には、以下の3点に焦点をしぼっている。1)ドリフト領域の電極構造を新たに設計製作し、これに対する特性調査を行う。2)アノード構造部の2次元読出し電極の最適化を行う。高エネルギー研放射光での単バンチモードで性能評価実験を行う。3)SPring8及び高エネルギー研放射光での性能評価実験をおこない総合的改良を加えて、独自の手法に基づく新型検出器を完成させる。 本年度は当初計画通り第1点を重点に進め、従来に無い独自の着想に基づく新しいドリフト領域ワイヤー構造を製作した。不感層領域を最小にし、良好な平行電位分布を形成するフィールドワイヤ配置を、電位分布計算を行い見出した。この配置を実現するため、ワイヤー固定法、電極及び絶縁材料を工夫し、放電対策に特に注意を払った検出器内部構造を設計製作し完成させている。この新しいドリフト領域ワイヤー構造に対して、初期電子のドリフト挙動を反映する高速信号特性調査を行なっている。Xe等の希ガスに各種クエンチャー物質を混合した高気圧(10気圧以下)計数ガスを使用し、混合比、圧力依存性を調査している。更にアノード芯線直径を変化させ、比例モード放電及びSOS放電における信号の立上がり時間測定を行う予定である。これらの測定には、本申請によって購入したデジタルオシロスコープを用いて信号の波形観測を行っている。
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