研究課題
1999年度は、前年度に開発したサファイア製のヘリウム3ガス容器に4気圧ヘリウム3ガスとルビジウム原子偏極の減少の原因となる放射捕獲をなくしたため、100torr窒素ガスそして、極わずかのルビジウムを封入し、ダイオード・レーザーからの円偏極ビームを照射し、ルビジウム原子を偏極し、ガス原子衝突により、ヘリウム3原子核スピンを偏極した。ヘリウム3原子核スピン偏極は、核磁気共鳴法で観測した。サファイア容器内でのヘリウム3原子核の偏極は、世界で始めてのものである。容器は、単結晶でできているので、複屈折効果が予想されていた。容器の形状は、円筒であり、円筒の両端は、レーザー光の窓になっており、複屈折効果によって、円偏光がくずれる。円偏光のくずれを補正するため、窓と同じサファイアの板をおいた。複屈折は、結晶軸の方向で決まる。サファイア板を回転させることにより、円偏光のくずれが保証されることを確認した。また、サファイア容器の窓の厚さを調整することにより、窓自体が1/4波長板になることを見い出した。1/4波長板とは、レーザー光の直線偏光を円偏光に変換するものである。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)