研究課題/領域番号 |
09610004
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藁谷 敏晴 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80136209)
|
研究分担者 |
鈴木 美佐子 北海学園大学, 法学部, 助教授 (50242300)
|
キーワード | event / event-ontology / casal relation / is-a-relation / event type / object / 個別的因果文 / 法則文 |
研究概要 |
本年度は、出来事を自然に処理する論理体系の研究の基本調査を広く行い、主に1960年代以降の出来事に関する研究の状況や結果を調査し、考察を進めた。また、それと平行して、これまでのところ限定的ではあったが成果の上がっている、本職らの出来事に関する推論体系の研究に対して、本質的拡充となる因果関係を含む推論構造の研究を行った。 藁谷は、主として、出来事を自然に表現し処理する論理的機構の技術的研究を行った。その際、論理学の他の分野、及び論理学の成果を積極的に取入れている他の諸分野との関係を常に意識しつつ、論理体系の構築を行った。 鈴木は、主として、目標とする論理的言語体系の構築のために、その直観的な支えとなっている日常言語に見られる推論の分析を行った。その際、出来事に関する日常的直観と、技術的成果を相互に比較検討し、論理言語体系に健全さが保たれているかどうかをチェックした。そうした研究の結果、出来事文同士の階層関係を明確にすることの重要性が明らかになり、より表現能力の高い論理体系構築のためには、さらに精密な階層の分析が必要であるとの認識を得た。 共同では、週2回の研究会を定期的に開催し、構築を進めている論理言語体系から導出される結果に関して討論を行い、導出結果の哲学的分析を行った。さらに、その成果をもとに、出来事の存在論的・認識論的位置付けに関する考察を進めた。 また、大阪大学の中山康男教授、及び柏端達也助手などと研究会を開催し、今後の研究を進める上での貴重な指針を得た。 以上のように、藁谷・鈴木の共同研究は、当初の予定通り行われ、調査研究・学外との交流もほぼ計画通り進行している。
|