• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

プラトンの『国家』における市民の生存益に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610005
研究種目

基盤研究(C)

研究機関上越教育大学

研究代表者

藤沢 郁夫  上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (70002376)

研究分担者 田中 伸司  静岡大学, 人文学部, 助教授 (50207099)
キーワード生存益 / 身体の所有 / 術の類比
研究概要

1 設備・備品については,研究代表者の所属する上越教育大学の藤沢研究室の情報処理関連機器の充実,および研究課題関係図書,主としてギリシャ哲学・倫理学関係図書の購入に当てられた。また,旅費については,東京での打ち合わせを2回行うとともに,研究分担者は北海道大学にて,また研究代表者は東京大学にて,それぞれ資料調査・収集を行うのに当てられた。
2 1による活動ないし機器の支援を得ながら,研究を進めた結果,研究代表者は次のような知見をえた。プラトンの『国家』における市民の生存益は,おおむね二つの文脈において論じることができる。一つは生存益の外的制約であり,それは主として体育と医術の協力関係という文脈で論じられる。それは国家を成立させている枠組みを自壊させないための条件として機能する制約である。そして,今一つは生存益の内的制約と呼ばれるべきものであって,その核心に「身体の所有」という問題を内包している。この内的な制約の表現は,犯罪の加害者と被害者における賠償の特定化という問題において,プラトンが十分な取り扱いをしていないこととして,また,結婚と子作りの国家管理にあたる支配者に関る虚偽意識の問題として,それぞれ登場しているように思われる。
3 研究分担者は「術の類比」の射程に関する研究」を『国家』第一巻を中心に行った。すなわち,(1)ケパロス,ポレマルコス,トラシュマコス等の登場人物の「正義の誤り」の分析,(2)「正義の技術」という考えの分析,(3)「報酬獲得術」という特異な術の位置づけ,等の研究を行った。
研究代表者は研究成果の一部を論文「プラトン『国家』における市民の生存益について」として発表し,分担者は論文の準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤澤郁夫: "プラトン『国家』における市民の生存益について" 上越教育大学研究紀要. 17・2. 791-804 (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi