研究概要 |
研究課題について本年度以下の研究を行った。 (1)ゲーム理論における共有知識の分析を認識論的観点から批判的に検証した。認識論的観点から見ると,強い知識の概念に基礎を置いた分析である点に不満が残る。 (2)共有知識をいかに定義するかは一つの問題である。ゲーム理論における標準的分析の伝統の中から3つのタイプの定義を取り出し,比較的弱い知識モデルの下でそれら相互間の論理的関係を分析した。共有知識の検証可能な定義を支えているのが「論理的全知の要請」(単調性の公理)であることが明確になった。 (3)論理的全知を要請しない弱い知識モデルである認知論理Eを基礎に,共有知識,合意定理およびナッシュ均衡解の解析を試みた。 学会発表については次の通り。 (1)「ゲーム理論と人間のモデル」(日本倫理学会,第48回大会,1997年10月18日) (2)「ゲームの問題-その哲学的意味」(筑波哲学・思想学会,第18回大会,1997年10月25日) 「共有知識について」(日本科学哲学会,第30回大会,1997年11月15日) 以上は研究代表者による発表。研究分担者による発表については「研究発表欄」に記載。
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