本年度は、昨年度にひき続き、北京、ナルタン、デルゲ、チョネのテンギュル4大版本に基づいて、『二諦分別論細疏』の校訂テキスト作りを中心とする作業を行い、これと並行して訳注研究に入った。校訂テキストはほぼ完成し、訳注研究も1/3程度の作業を遂行した。なお、同テキストおよび関連文献の敦煌出土本(断片)の内容チェックのため、昨年12月にはパリの国立図書館にて調査を行い、当初の目的を果たした。とともにまた、本研究に関連して、後期インド仏教関連の内外の研究文献リストの作成を開始し、今年度は国内の学術雑誌に掲載された関連研究(過去10年間)の著者別リストを完成した。
|