申請したのは、「『花園大学国際禅学研究所一字索引叢書』の開発ソフトに合うデータベースの作成」という計画であった。しかし、その後このソフトの普及性、応用性を詳しく検討した結果、次の結論を得た。花園大学データベースはSGML-言語をベースにして開発されており、外字管理の面では非常に優れた解決方法をとっているという長所の反面、このソフトを購入しないとアクセスできないという短所がある。できるだけ広範囲の研究者からのアクセスを可能にするという点を優先するなら、前者の長所をいくらか犠牲にしても、同じSGML-言語系のHTMLベースが望ましいと思う。HTML言語は、今のところは外字使用は不可能であるが、インターネットの一般ブラウザ-で利用できるという大きな利点がある。 具体的には、講式に頻出する外字を次の様に処理した。即ち、(1)表記統一によって、出来る限りJISコードに入っている漢字に置き換えた。(2)JISコードに入っていない外字を単純なIMGファイル(GIFファイル)として製作し、それをテキストファイルにリンクした。(3)IMGファイル(GIFファイル)を処理できないブラウザ-の為に、外字に該当する諸橋大漢和辞典の漢字番号も付けた。 このように、外字問題は取り敢えず解決したので、次にHTML言語でデータベースを作製した。全体の構造は既にできあがっているが、検索できる科目が少ないので、未だ公開には踏み切っていない。データベースは複数のレベルに分けられ、各レベルの文書は一段上のレベルによって繋げられて検索できるようになっている。データ通信時間を短縮する為に、グラフィック要素を最小限にして、長いファイルは分けた。HTML言語としてはHTML3.2を選んだが、特殊なブラウザ-でしか利用できない要素を使用しないように注意を払った(殆どのファイルはHTML2.0応用のブラウザ-でも利用できるはず)。試験段階のデータベースは、日本で主に使用されているブラウザ-(2種類)でチェックした。データ入力も順調に進んでおり、計画した講式索引のうち、永観作講式の索引一冊(約120頁)が完成した。
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