研究概要 |
1. 資料の収集: インドにおける「部派の形成過程」と「大乗の興起」の歴史的・社会的基盤と思想展開の動機と契機に関連する資料を,東北大学・東洋文庫・東京大学・国際仏教学大学院大学・竜谷大学等の図書館で組織的に調査して,関係の資料を収集した。 2. 資料の整理: (1) 背景史の研究: 史伝・論書に出現する仏教の部派・学派の名称と所在地の状況,仏教碑銘記載の背景史との関連を整理し,コンピュータに入力した。 (2) データの分析: 本研究成果の公開を前提としたデータの分析に必要なプログラムの作成に当っての諸問題に関して,東北大学金属材料研究所の情報学関係の研究者と意見の交換を行った。 (3) 上記の成果の一部は, 『インド仏教碑銘の研究 II 索引・図版』として公刊した。 (4) 学説史の研究: 小乗から大乗への展開を跡づけ得る可能性のある経典に経集部所収の初期経典がある。研究協力者(菅原泰典)はこれらを研究する第一段階として,それらの経典類のサンスクリット・チベット・漢文・中央アジア言語のテキストを整理し,従来の研究を『経集部小経解題』として公刊した。
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