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1997 年度 実績報告書

アッシリアの宗教

研究課題

研究課題/領域番号 09610032
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東洋英和女学院大学

研究代表者

岩田 和子 (渡辺 和子)  東洋英和女学院大学, 人間科学部, 助教授 (00223397)

キーワードメソポタミア / アッシリア / アッシュル / 宦官 / 神義論
研究概要

平成9年度の研究実績は以下の3点にまとめられる。
1.これまでに行った研究から、新アッシリア時代の官僚の印章は、宦官の印章とそうではない官僚の印章に分けられることがわかっていたが、さらにこれらの印章図像において礼拝者として表された官僚がどの神を礼拝しているかについて検討した。その結果、宦官もそうではない官僚も(1)男神、(2)女神、(3)男神と女神、あるいは(4)有翼の太陽(と聖樹と聖霊の組み合わせ)を主たる礼拝対象としていることが確認できた。男神については、怪物退治をするニヌルタ神、女神については金星女神イシュタルと治癒女神グラ、男女神については、ニヌルタとその配偶女神とされるグラの組み合わせが顕著である。これらの研究結果は論文"Seals of Neo-Assyrian Officials"として編著書Priests and Officials in the Ancient Near East(Carl Winter,印刷中)に収録した.
2.アッシリアの国家神アッシュルは都市アッシュルの神格化であるというランバートのテ-ゼに検討を加える。アッシリア初期の碑文を検討してアッシュルの神格化の過程とたどり、またアッシュル市が「市」(アール)としても神格化されていることを確認する。またアッシュルの図像表現についても新しい知見を得た。これらの知見は中間報告としてシュメール研究会(1997年12月)で「神アッシュルの起源」と題して口頭発表を行った。
3.『旧約聖書』の「ヨブ記」に代表される神義論は、その源流を古代メソポタミアにもつ。アッカド語で書かれた神義論文学の検討と、神義論文学を背景にもつ人名の分析を通して、神を弾劾する宗教性について検討をした。神義論を背景にもつ人名に関する新しい知見はNABU 1998/1(印刷中)に発表予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuko Watanabe: "Nochmals zum Namenstyp "Was habe ich dem Gott(Schlimmes)angetan?"" Nouvelles assyriologique breves et utilitaires. 1998/1(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Kazuko Watanabe: "Priests and Officials in the Ancient Near East" Carl Winter,Heidelberg(印刷中), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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