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1997 年度 実績報告書

現代社会におけるモラルの成立条件-コンピュータ・エシックスの観点から-

研究課題

研究課題/領域番号 09610039
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

越智 貢  広島大学, 文学部, 教授 (00152512)

キーワードモラルの変容 / 情報化 / コンピュータ・エシックス
研究概要

今年度の研究計画はほぼ予定通りに遂行されたと考えている。今年度の研究目標は「1.伝統的倫理学におけるモラルの位置づけとコンピュータ・エシックスにおけるモラルの位置づけとの相違点の比較解明」と「2.現実世界のコミュニケーション形態とコンピュータ・コミュニケーションの形態との比較」という2つの課題の追求にあったが,両課題をとりわけ教育の現場の観点からアプローチした今年度の研究は,来年度の研究に直接つながる展望をもたらしてくれた。
ただし,現在は正面からその研究成果をまとめる段階にはないと考えている。確かに今年度の成果は,いくつかの論文などに活かされたほか,まだ原稿段階にとどまっている未発表の論文としても結実したが,今年度の研究課題を直接論ずる発表の機会はあえてもたなかった。そのためには,さらに来年度の研究が不可欠だと考えたからである。
今年度の研究の中で最大の収穫となったのは,現実世界の仮想世界との構造的相違(とりわけ時間空間的な条件の相違)が直接諸概念の意味の相違につながる点が確認されたことである。たとえばネットワーク上の隈褻問題を巡って現在活発な議論が展開されているが,その問題点は隈褻の規定にあるよりも,むしろネットワーク環境のメディア特性にこそ求められる。つまり,モラルの問題そのものの検討以上に,モラルの環境の分析こそが必要なのである。
来年度は,こうした視点に立って,以上の成果をさらに深めるつもりである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 越智 貢: "<関係>としてのいじめ" いじめ防止教育実践研究. 1. 15-22 (1997)

  • [文献書誌] 越智 貢: "道徳授業と教え込み" 道徳と特別活動(文溪堂). 14(11). 4-7 (1998)

  • [文献書誌] 越智 貢: "内なる力" 教育けんきゅう. 25(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 佐藤・溝口編(越智貢分担執筆): "モラル・アポリア-道徳のディレンマ" ナカニシヤ出版, 239 (1998)

  • [文献書誌] 島薗・越智編(越智貢分担執筆): "心情の変容" 東京大学出版会, 209 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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